宝箱からの声を聞け

夢と言う言葉は、夢があって大好きだ。でも、夢をおとぎ話のようにしてしまうことは好きじゃない。夢は見るものじゃなくて叶えるもの。そんな気持ちでブログを始めました。

「払う」と「納める」

昨年、亡父が残した土地・家屋を譲渡した。
場所が遠く、登記も不十分で苦労した。
結局、相続はしたものの売却することにした。
売却代金、7百万円。
知人の司法書士のお世話になった。
そのとき知人曰く「税金は百万円ほどです。確定申告を忘れないで」とのこと。
早速、税務署に出かけた。
申告書は国税庁のサイトから記入・プリントアウトをして持参した。
駐車場の混雑を予想して、別の場所に車を止めて歩いて向かった。
しかし、空いている。
まるで人の気配がしない。
受付で申告に来た旨を告げると、申告書を受け取ることしかできないという。
公民館や市役所ではない。
税務署の受付で「申告書を受け取ることしかできない」と言われた。
「申告書を書いてきたので、みて欲しいのですが。」
と、言ってもらちが明かない。
仕方がないので、指定された場所まで歩いていった。
場所は駅前の産業展示館。
まあ、体育館のようなものだ。
税務署の受付で話したことを再び告げる。
すると、列に付けとのこと。
広い会場には、多くのノートパソコンが置いてあり、これまた多くの人が不慣れな手つきでキーボードに向かっている。
しかも立ったままで。
そして、その後ろは順番を待つ人の列がつながっている。
僕は、列の途中で待ち構えていた担当者に「書類はできているのでみて欲しい」と訴えた。
すると、別の列を指示されて待つことになった。
やがて、順番が来てよばれた。
今度はいすがあった。
書類を渡すと、源泉徴収票を見て記入する欄が空欄なので書くよう指示があった。
「やはり書類を見てもらって良かった」と、僕は思った。
国税庁のサイトをみても、そのような指示は分からなかった。
実際、何時払うのかと尋ねると、「納付書」はお持ちですか。と言う。
あるわけない。どうやって請求するかも分からないのだから。
あげくに、僕の書いた取得控除は、控除にならないかもしれないとのこと。
あっちこっちたらい回しされた果ての答えに、いささか腹が立った。
僕にしてみれば、百万円を払って強制的に、行政サービス・財を買いに来たようなものだ。
お茶を出せとは言わないが、あまりに「おもてなし」の気配りがない。
くり返すが、僕は百万円も払いに来たお客さんだ。
何とも言えない気分で会場を出ようとすると、「納付される方は・・・」と税務署員らしき人が大きな声を出している。
そうか。
気分は良くないが、分かった気がした。
僕は「お金を払いに来た」と思っているが、相手は「納付しにきた」と考えている。
この差は、とてつもなく大きい。
そう考えると、この日のことが全てつじつまがあった。
でも、10年前、まだパソコンでの申告がなかった頃の方がまだ「払う人」の気持ちを忖度していたような気がする。